見積書作成の手順——建設工事で漏れやすい内訳と見積期間
一式をやめて数量と単価に分け、材料費と労務費の内訳と工程ごとの日数を書く。建設業法が定める見積期間は1日・10日・15日。現場から戻った夜に書く順番をまとめました。
Zirko Redaktion公開日: 更新日: 読了目安 6分

見積書は現場から戻った夜に書くものです。損をするのは金額そのものより、書く順番のほうです。工事は必ず変わります。変わったときに説明できる見積書には、決まった形があります。
「一式」をやめて、数量と単価に分ける
「浴室改修工事 一式 950,000円」は、全部まとめて守るか、まとめて崩れるかのどちらかです。数量・単位・単価に分けた34行なら、施主が引っかかるのはたいてい2行か3行で、そこだけ話せば済みます。
単位は現場で実際に測る単位にします。面は㎡、幅木はm、器具は台。あとで出来高を数えるのに㎡で見積もっていると、拾い直しになります。
材料費と労務費を分ける——建設業法が求める内訳
建設業法第20条第1項は、工事の種別ごとに材料費・労務費その他の経費の内訳と、工程ごとの作業および準備に必要な日数を明らかにして見積りを行うよう求めています。努力義務ですが、同条第4項では、注文者から請求があれば請負契約が成立するまでに見積書を交付しなければならないとされています。
実務上の利点は三つあります。追加工事は1行の数量を変えるだけで計算できること。仮設・運搬・現場管理費が金額の中に溶けずに残ること。そして完成後に、予定した人工と実際の人工を突き合わせられることです。一式のままでは、儲かった工事と持ち出しになった工事の区別が永久につきません。
この内訳をそのまま自社の支払額に組み直したものが実行予算です。受注が決まったら次にやる作業なので、先に実行予算の作り方と四つの費目を見ておくと、見積の段階でどこに原価を持たせておくべきかが分かります。
見積期間は1日・10日・15日
見積りを出す側だけでなく、下請に出す側にも期限があります。建設業法第20条第3項と施行令第5条の9により、工事1件の予定価格が500万円未満なら1日以上、500万円以上5,000万円未満なら10日以上、5,000万円以上なら15日以上の見積期間を設けなければなりません。やむを得ない事情があるときに短縮できるのは5日以内だけです。
「明日までに見積りを」は、500万円以上の工事では法令に反します。支払期日まで含めた期間の全体像は建設業法の下請代金支払期日にまとめてあります。
消費税は見積の段階で分けておく
税率は10%です。見積書の時点で税率ごとに対価の額を分けておけば、そのまま適格請求書の記載事項6つに移せます。請求の段になって内訳を作り直すと、見積書と請求書の数字が合わなくなり、施主が最初に見つけるのがその差です。
有効期限と、追加工事の一行
有効期限のない見積書は、8か月後に今日の材料価格で受注することを意味します。日付を入れてください。
そして追加工事です。建設業法第19条第2項は、請負契約の内容を変更するときも、その変更内容を書面に記載して相互に交付しなければならないとしています。見積書にも一行を入れておきます——上記に記載のない工事は別途見積りとし、着手前に承認を得るものとする。現場で口約束にした分は、たいてい最後に自分が飲むことになります。
出したあとに残るもの
見積書は受注したら終わりではなく、出来高と請求の土台になります。工事ごとに見積・工程・原価をひとつにまとめる考え方は施工管理アプリと工事管理システムで説明しています。
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2026年9月6日時点の法令に基づきます。この記事は条文と実務の説明であり、個別の事案についての法律相談・税務相談に代わるものではありません。建設業法第20条の見積期間と内訳の規定、および同法施行令第5条の9の日数は改正の対象になり得ます。大きな工事の見積りを出す前には、e-Gov法令検索で第19条・第20条と施行令第5条の9の最新の条文を確認してください。
Zirkoができること、できないこと。見積書は明細(名称・単位・数量・単価)で作り、明細の下に数量の計算行を持たせ、税率は行ごとに設定します。同じ明細がそのまま出来高請求と請求書になり、前受金は自動で差し引かれます。発行済みの請求書は変更できず、訂正は赤伝または訂正請求書で行います。できないこと:積算の歩掛や単価表は付属しません。電子インボイスのファイルは作成しますが、送信は行いません。
よくある質問
建設工事の見積期間は何日以上必要ですか。
建設業法第20条第3項と施行令第5条の9により、工事1件の予定価格が500万円未満なら1日以上、500万円以上5,000万円未満なら10日以上、5,000万円以上なら15日以上の見積期間を設けなければなりません。やむを得ない事情があるときに短縮できるのは5日以内だけです。
見積書に内訳を書く義務はありますか。
建設業法第20条第1項は、工事の種別ごとに材料費・労務費その他の経費の内訳と、工程ごとの作業および準備に必要な日数を明らかにして見積りを行うよう求めています。これは努力義務ですが、同条第4項では、注文者から請求があれば請負契約が成立するまでに見積書を交付しなければならないとされています。
見積書を「一式」で出すと何が問題になりますか。
「浴室改修工事 一式 950,000円」は、全部まとめて守るか、まとめて崩れるかのどちらかになります。数量・単位・単価に分けた明細なら、施主が引っかかるのはたいてい2行か3行で、そこだけ話せば済みます。単位は現場で実際に測る単位——面は㎡、幅木はm、器具は台——にしてください。一式のままでは、儲かった工事と持ち出しになった工事の区別が永久につきません。
見積書の段階で消費税はどう書きますか。
税率は10%です。見積書の時点で税率ごとに対価の額を分けておけば、そのまま適格請求書の記載事項に移せます。請求の段になって内訳を作り直すと、見積書と請求書の数字が合わなくなり、施主が最初に見つけるのがその差です。
追加工事が出たときはどうしますか。
建設業法第19条第2項は、請負契約の内容を変更するときも、その変更内容を書面に記載して相互に交付しなければならないとしています。見積書にも「上記に記載のない工事は別途見積りとし、着手前に承認を得るものとする」の一行を入れておきます。現場で口約束にした分は、たいてい最後に自分が飲むことになります。
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出典
- 建設業法 第19条・第20条(契約の書面、見積りの内訳と見積期間) (確認済み: 2026年9月6日)
- 建設業法施行令 第5条の9(建設工事の見積期間) (確認済み: 2026年9月6日)
- 消費税法 第57条の4第1項(適格請求書の記載事項) (確認済み: 2026年9月6日)
- 国税庁 タックスアンサー No.6303 消費税及び地方消費税の税率 (確認済み: 2026年9月6日)