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工事請負契約書の収入印紙——軽減後の金額表と19条の記載事項

建設工事の請負契約書は令和9年3月31日まで印紙税が軽減されています。金額表、消費税を分けて書くと下がる記載金額、二通目の印紙、PDFとメールの扱い、建設業法第19条の16項目を整理しました。

Zirko Redaktion公開日: 読了目安 7分

目次

税抜500万円の改修工事を請けて、契約書に「請負金額 550万円(うち消費税額等 50万円)」と書けば、貼る収入印紙は1,000円です。同じ工事で「請負金額 550万円(税込)」とだけ書くと5,000円になります。工事も金額も同じで、違うのは契約書の一行だけです。しかも署名した原本を二通作れば、それぞれに貼ります。

建設工事の請負契約書の印紙税は、平成26年4月1日から令和9年3月31日までに作成するものについて軽減されています(租税特別措置法第91条第2項)。以下、金額表、消費税の書き方、二通目、PDFとメール、そして印紙の前に決まっている「契約書に何を書くか」を順に見ます。

まず、契約書そのものが義務

「建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従つて、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。」 — 建設業法第19条第1項

この義務は建設業許可の有無と関係なく、建設工事の請負契約の当事者すべてにかかります。税込500万円未満の軽微な建設工事だけを請けている許可のない事業者でも同じです。書くべき事項は第1項が十六号で列挙しています。

  1. 工事内容
  2. 請負代金の額
  3. 工事着手の時期及び工事完成の時期
  4. 工事を施工しない日又は時間帯の定めをするときは、その内容
  5. 前金払や出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法
  6. 設計変更・着手の延期・工事の中止の申出があった場合の工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担とその算定方法
  7. 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担とその算定方法
  8. 価格等の変動又は変更に基づく工事内容の変更又は請負代金の額の変更とその算定方法
  9. 第三者が損害を受けた場合の賠償金の負担
  10. 注文者が資材を提供し、又は建設機械などを貸与するときは、その内容及び方法
  11. 注文者が完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期
  12. 工事完成後の請負代金の支払の時期及び方法
  13. 契約不適合を担保すべき責任や保証保険契約などの措置に関する定めをするときは、その内容
  14. 履行の遅滞その他債務の不履行の場合の遅延利息、違約金その他の損害金
  15. 契約に関する紛争の解決方法
  16. その他国土交通省令で定める事項

内容を変更するときも、第2項により変更の内容を書面にして署名又は記名押印し、相互に交付します。追加工事を口頭で受けて最後の請求でまとめる、というやり方はこの条文と合いません。第3項は、相手方の承諾を得れば、書面に代えて電子的な方法で行えるとしています。

十号の「注文者が資材を提供する」場合は、支給材の市場価格が建設業許可の500万円の判定にも足されます。十二号の支払時期は、元請の立場なら下請代金の支払期日と年14.6%の遅延利息の起点にもなります。

契約書と請書は第2号文書

国税庁タックスアンサーNo.7102は、工事請負契約書、工事注文請書などが印紙税額一覧表の第2号文書「請負に関する契約書」に当たるとしています。契約書を作らず、注文書に対して請書を返す形でも、その請書に印紙が要ります。

金額表——本則と軽減後

契約書に記載された契約金額本則の税額軽減後(令和9年3月31日まで)根拠
1万円未満非課税非課税印紙税法別表第一第2号
1万円以上100万円以下200円200円(軽減の対象外)同上
100万円超200万円以下400円200円租税特別措置法第91条第2項第1号
200万円超300万円以下1,000円500円同第2号
300万円超500万円以下2,000円1,000円同第3号
500万円超1,000万円以下1万円5,000円同第4号
1,000万円超5,000万円以下2万円1万円同第5号
5,000万円超1億円以下6万円3万円同第6号
1億円超5億円以下10万円6万円同第7号
5億円超10億円以下20万円16万円同第8号
10億円超50億円以下40万円32万円同第9号
50億円超60万円48万円同第10号
契約金額の記載がないもの200円200円印紙税法別表第一第2号

軽減の対象は、建設業法第2条第1項に規定する建設工事の請負に係る契約に基づいて作成される契約書です。国税庁タックスアンサーNo.7108によれば、建設工事の請負に関する契約に基づく契約書であれば、設計など建設工事以外の請負が併記されていても全体が軽減の対象になります。

消費税を分けて書くと、記載金額が下がる

国税庁タックスアンサーNo.7124は、消費税の課税事業者が作成する請負に関する契約書で、消費税額等が区分して記載されているとき、または税込価格と税抜価格の両方が記載されているときは、その消費税額等を記載金額に含めないとしています。

冒頭の例に当てると次のとおりです。

契約書の書き方記載金額軽減後の印紙税
請負金額 550万円(うち消費税額等 50万円)500万円1,000円
請負金額 550万円 税抜価格 500万円500万円1,000円
請負金額 550万円(税込)550万円5,000円

境目の300万円・500万円・1,000万円・5,000万円のすぐ上にある工事ほど差が出ます。ただし同じ回答は、免税事業者が消費税額を区分して書いても、その金額は記載金額に含めると注意しています。免税事業者の契約書は、書き方にかかわらず税込の総額で判定されます。

二通作れば二通分

印紙税は一通ごとにかかります。国税庁タックスアンサーNo.7120によれば、「写し」「副本」と表示した文書でも、契約当事者の双方または相手方の署名・押印があるもの、正本と相違ない旨などの当事者の証明があるものは、契約の成立を証明する目的で作成されたものとして課税対象です。自分の印だけを押した控えや、署名のない単なるコピーは課税されません。

誰が払うかは印紙税法第3条が決めています。課税文書の作成者に納税義務があり、一つの文書を二人以上で共同して作成した場合は連帯して納めます。

PDFとメールなら印紙は要らない——ただし現物を渡せば別

同じNo.7120は、ファックスや電子メールで送信した場合、正本は送付元に保存され送付先に交付されていないので、送付先で出力された文書は写しと同様であり課税対象にならないとしています。

福岡国税局の文書回答事例も、注文請書をPDFファイルなどの電磁的記録に変換して電子メールで送信する方法について、課税文書を作成したことにはならないと解して差し支えないと回答しています。照会の前提には、メールで送った後に現物の請書を持参するなどして別に交付した場合は、その現物に印紙税がかかる、という一文が付いています。PDFで送って、念のため紙も郵送すると、紙のほうに印紙が要ります。

建設業法の側では、書面に代えて電子的な方法で契約する場合、第19条第3項により相手方の承諾が要ります。印紙が要らなくなるのは結果であって、承諾を省いてよい理由にはなりません。

貼り忘れ・消し忘れの過怠税

どうなったか過怠税根拠
作成の時までに印紙を貼らなかった納めなかった税額とその2倍、合計3倍印紙税法第20条第1項
調査を予知する前に自分で申し出た納めなかった税額の1.1倍同第2項
貼ったが消印をしなかった消していない印紙の額面と同額同第3項
過怠税の合計が1,000円に満たない1,000円(第2項だけの場合を除く)同第4項・第5項

印紙は「作成の時まで」、つまり相手方に交付する時までに貼り、第8条第2項により文書と印紙の彩紋にかけて消します。署名か押印で消すのが普通です。

軽減は令和9年3月31日まで

租税特別措置法第91条第2項の軽減は、平成26年4月1日から令和9年3月31日までの間に作成される建設工事請負契約書に適用されます。作成日が基準なので、令和9年4月以降に署名して交付する契約書は、延長が決まらない限り本則の税率です。500万円超1,000万円以下の工事なら、印紙は5,000円から1万円に上がります。年度をまたぐ大型工事の契約は、作成日と税率を並べて見ておく価値があります。


2026年9月28日時点の法令と国税庁タックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)に基づきます。この記事は条文と国税庁の公表資料の内容を説明するもので、個別の事案についての税務相談・法律相談に代わるものではありません。建設工事請負契約書の軽減措置は期限つきの租税特別措置で、これまでも延長されてきましたが、令和9年4月以降の扱いは税制改正で決まります。契約書を作る前に、国税庁タックスアンサーNo.7108で現在の期限と税率を確認してください。

Zirkoがここでしていること:注文請書を帳票として作成し、PDFにしてメールで送れます。約款などのPDFを添付として登録すれば、発行する注文請書の末尾に付きます。金額欄には税抜合計・消費税・税込合計が分けて並びます。していないこと:Zirkoは工事請負契約書そのものの雛形を持たず、建設業法第19条の十六号がそろっているかも確認しません。貼るべき印紙の額を計算することも、紙の原本を交付したかどうかを記録することもありません。どの書類を紙で渡すかは事業者自身の判断です。

よくある質問

印紙の金額は消費税込みの金額で判定しますか。

消費税額を区分して書けば、税抜の金額で判定します。国税庁タックスアンサーNo.7124は、請負に関する契約書で消費税額等が区分記載されているか、税込価格と税抜価格の両方が書かれている場合、その消費税額等は記載金額に含めないとしています。「税込550万円」とだけ書くと550万円で判定され、5,000円になります。

注文請書にも収入印紙は必要ですか。

必要です。国税庁タックスアンサーNo.7102は、工事請負契約書、工事注文請書などが印紙税額一覧表の第2号文書「請負に関する契約書」に該当するとしています。請書は当事者の一方だけが作る文書ですが、契約の成立を証するものなので、契約書と同じ税率で課税されます。

電子契約やPDFの契約書にも印紙は必要ですか。

紙の現物を交付しなければ、印紙税はかかりません。国税庁タックスアンサーNo.7120は、ファックスや電子メールで送信した場合、送付先で出力された文書は写しと同様で課税対象にならないとしています。ただし福岡国税局の文書回答事例のとおり、メール送信のあとに現物の請書を別に渡せば、その現物が課税文書になります。

契約書を二通作ったら、印紙は二通とも必要ですか。

双方が署名または押印した原本を二通作れば、二通とも必要です。国税庁タックスアンサーNo.7120は、「写し」「副本」と表示した文書でも、当事者双方の署名・押印があるものは契約の成立を証明する目的で作成されたものとして課税対象になるとしています。署名のない単なるコピーは課税されません。

収入印紙を貼り忘れるとどうなりますか。

印紙税法第20条第1項により、納めなかった印紙税の額とその2倍、つまり合計3倍の過怠税が課されます。税務調査を予知する前に自分で申し出れば、第2項により1.1倍に下がります。印紙を貼っても消印をしなかった場合は、第3項により消していない印紙の額面と同額の過怠税です。

印紙代は注文者と請負人のどちらが負担しますか。

法律上は、その文書の作成者です。印紙税法第3条第1項は課税文書の作成者に納税義務を置き、第2項は一つの文書を二人以上で共同して作成した場合は連帯して納める義務があるとしています。二通作って一通ずつ持つなら、自分が持つ一通の印紙を各自が負担するのが一般的な分け方です。

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Zirkoは2026年末に正式リリースします。それまでは初期のテスト版をお試しいただけます。登録してアドレスを確認すれば、すぐにご利用いただけます。リリース時にもう1通メールをお送りするだけです。

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